舞いおりて飾りをなくす
拾われて意味をなくす
足掻いても理由をなくし
裁かれて存在なくす
水面から距離を置いて
古代からの系統の果てに
名もなき深海の部屋で
「さーがーすーなー」
つぶやき続けている
「さーがーすーなーあ」
時折向きを変えて
それは そこで そうして
永遠を食いつぶしている
ひっくり返してみると
案外快適な溶岩が
くるりと流れていて
本当は素敵
水中の水泡の数奇
巡りて停滞する
翼を広げた時に
更新が再開された
それでもつぶやき続ける
「あーあーあーあー」
光を洗い流しながら
「あーあーあーあー」
海底に縛り付けられていく