2016年12月26日

小数


偶然見たもの 3.3ミリ
ちゃんと測れば 3.4ミリ
あの日の太陽 5.8から5.9から6.0へと
傷ついた心 6.2回
つかれた嘘は 7.8回
ほんとは 7.9から8.0から8.1ほど そして

2.1 3.4 5.7 1.2
6.7 4.3 7.5 0.6

2.1 3.4 5.7 1.2
6.7 4.3 7.5 0.8

失敗してるよ 5.1 4.7 4.4
諦めちゃったよ 3.3 2.7 2.0
旅してみようか 0.5 0.6 0.6
家が一番ね 1.9 4.6 7.8

3.3 4.4 5.5 6.6
7.7 8.8 9.9 0.1

満点星空
一点集中
脳天直撃
グーテンモルゲン
寒天培地
急転直下
ふーてん寅さん
ばってん荒川

よくわかる5.2 そして今6.3
あいまいな0.1 知りたくて3.1
2.6 5.9 まずは 3.5 3.7
7.4 5.0 そして 6.8 1.6

4.0 まして 4.2 4.5 4.7
3.3 かつて 5.3 9.4 6.3
2.25 3.35 4.45 5.87
9.99 8.88 7.77 6.54
1.112587 6.778569
8.578697 3.654321

偶然見たもの 3.3332586478
ちゃんと測れば 3.3332586477
あの日の太陽 1.0 1.0 1.0個
もしかしたら僕は 0.8 0.9 1.0
1.0000000000003人

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2016年11月03日

★君の寝てない自慢を聞くから俺の詩を読んでくれ


跳ねる水族館
消えるラムコーク
銅メダルぐらいの話題
ストックできるラック
偏差値48で
十分な状況を
常に失敗してる
ぎりぎり愛しいライン

変な投資話も
合コンの誘いもいらない
生きている空間が
そもそも違うんだろう
君の寝てない自慢を聞くから
俺の詩を読んでくれ
約束してくれたなら
幸せ度52になる

イタリアの青い空も
パイプオルガンの音色も
本当は羨ましくない
気付かれたっていい
ここでは頷きが
通貨になっている
綺麗だろうね
荘厳だろうね

新しい波
高くて柔らかい
行列の中の蟻
嫉妬できる面子
君が笑えない芸人の悪口を聞くから
俺の詩を読んでくれ
約束してくれたなら
未来指数50で決定

posted by rakuha at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ★単行本の3頁目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月22日

2016年07月28日

★ジョン・ドゥ・ミー



姿なんていくら変えても駄目だ
私は名前を変えた
名前にまとわりついた過去を捨て
別人として生きた
けれども別人として
再び記憶されてしまう
私は何度も名前を変えなければならない

記憶の中でゆらゆらと揺れて
人の姿はかすんでいく
けれども名前に呼ばれて
再び輪郭は立ち現われる
そうだ
名前を捨てればいい
私のことを思い出せないように

名前のない私は
記憶に定位置を与えない
ふらふらと揺れて
溶けて消える
再会した時
「お会いしたことありましたっけ?
お名前はなんでしたっけ?」
と聞かれても
「誰でもないんですよ」
と答えればいい
曖昧な記憶がそれぞれの人の中で
変身に変身を重ねていく

しかしところで
私は誰なのだ
私は私を知っている
変わらない私を知っている
けれども名前のない私は
私を確認できなくなってしまった
私にとっては私は私だが
私以外にとっては私は私ではない
私という概念は私こそを示すわけではない
世界には私が溢れている
私は私たちの中に埋もれていく

私は私にしか通用しない
名前を私に与えた
この名前を守り抜かねばならない
変わらない私でいなければならないのだ


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2016年07月25日

★少し


少しぐらい悲しんでもいいとか
少しぐらい泣いてもいいとか
なんで少しで終わるって思うのかな
悲しみはいつまでも消えない泡となって
ずっとまとわりついてしまうんだ
涙は肌から染み込んで
また涙になってしまうんだ

笑っていてもいいでしょ
嘘でも笑っているときは
笑っていると思われるでしょ
まだ自分を見つけていられるんだよ

「少しぐらい 悲しんでもいいんじゃない 
少しぐらい 泣いてもいいんじゃない 
少しって なんだろうね 
自分で 考えてみなよ 
ずっと 考えていたら 
何かを 忘れているかもね」


夕日から朝日まで
ずっと悩んだこととか
知らないくせに
もう泣き始めているかもしれない

「少し 近づいて 
僕に 涙を 染み込ませたら 
もう 泣かなくて いいのかな 
また 泣くことも できるのかな 」


雲がすべてを覆って
何も見えなくなったね
悲しくない気がするよ
泣いてない気がするよ
でもわかる
君がずっと泣いている

「しばらくは 僕が 悲しむから 
少しだけ 待って 
ちょっと 涙が 止まらないから 
少しだけ 待って  
少し  
少し 」


少しだけ



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2015年02月23日

★夏の語順


夏に見た青い海の鮮やかさに取りつかれている
夏に見た青い海の鮮やかさに名前を付けたい
夏に見た青い海の恐ろしさに名前を付けたい
夏に見た青い空の恐ろしさに名前を付けたい
夏に見た黒い空の恐ろしさに名前を付けたい
夏に死んだ黒い空の恐ろしさに名前を付けたい
夢で死んだ黒い空の恐ろしさに名前を付けたい
夢で死んだ黒い空の恐ろしさに取りつかれている

記憶は曖昧で回っている
記録は曖昧で回っている
記録は「会いたい」で回っている
記録は「会いたい」で惑っている
議論は「会いたい」で惑っている
議論は「愛? 恋?」で惑っている
議論は「愛? 恋?」で惑っていた

君に会ったこの町のことを
この町であった君のことを
このことがあった君の町を
このことを待ち合った君が

夏には何があったのだろう
記憶はどうなったのだろう
混濁が混濁を呼ぶ
希望が希望を産む
真実は語順を選ぶ
理想は正解を嫌う
この町はあの町だろうか
空の色を知っていただろうか

夏に見た何かの何かに取りつかれている

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2014年12月22日

★あああ ああああ あああ いい


あ は一人で暮らしている
あ の日記にはこう書かれている
あああ ああ ああ ああ
あ しかいないので会話はない
ただ あ は星を見てつぶやく
ああ あーあ

昔は あ はみんなと暮らしていた
けれども あ は冷たくされていた
あ はひらがなの最初だし
口にしやすいし
何となく特別感があって
嫉妬の対象だった
誰よりもきつかったのは
い だった
彼は あ の次ということもあったけれど
なによりいろはの先頭だったのだ
彼は時代を恨み
あ を恨んだ
あ は不当に評価されすぎている
い はあを攻めた
実際にはこんな会話だった
いい いい いい? いいいいい
あ ああ ああ……
いいいい!
あ ああ ああ
いい いい いいー!
あ は頭を振ってうなだれた

あ はみんなのもとを去っていった
あ がいなくなったので
言葉には多くの隙間ができてしまった
みんなで埋め合わせようとしたが
い がみんなの前に立って言った
いいいい いいい いい いいいい
いろいろな意見が出たのだが
つまり
ろろろ ろろ ろろろろろろ
とか
ここここ こっこっこー
とか
むむむむむむむむむむっむー
とかとにかく
議論はあったものの結局
あ は い にすべてを託したのだという
い の嘘が認められてしまったのだった

すべての あ は い に置き換えられた
あした は いした に
アナウンス は イナウンス に
アカサカサカス は イカサカサカス に
あいあいがさ は いいいいがさ に
いきらかに変だったけれど
い の勢いがいまりにもすごかったので
いさから夜までせかいは い だらけ
もちろんい といいいれない者もいたけれど
追い出してしまったようないといじの悪さに
これ以上のいらそいは避けたかったのだ

皆はいつの間にか
あ のない世界に慣れていった
そしてどこに あ があったのかわからなくなった
皆が あ のことをとっくに忘れた頃
子どもが枯れ井戸の底から古い書物の切れ端を見つけた
そこには見たことのない あ の文字
「あめがあまい」
みなで悩んでいたところ え が叫んだ
う が あ にとってかわったに違いない
う は世の中に多すぎると思っていた
つまりこの文章は今
「うめはうまい」になっているが
元々は「あめがあまい」だったのだ

みな何となくそんな気がしてきたので
あ は面白い 私が あ になるというものもいて
う を あ に戻す作業に取り掛かった
うた は あた に
ういういしい は あいあいしい に
ウルトラソウル は アルトラソアル に
イナウンス は イナアンス に
どれが元々の う かわからないので
とりあえず置き換えていった結果
どんどん う は減ってしまって
う はなんだか居づらくなってしまった

ついには う も旅立ってしまって
世界から う はなくなってしまった
このようにあよきょくせつがいって
あ は いに
う は あになったのだが
長い年月を経て
人々の記憶はどんどんあすらいで
もはや誰もほんとあのことを覚えていない

あしなわれた音を
いなたはきっと
まだ知らないのです

猫
posted by rakuha at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ★単行本の3頁目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月25日

★ラストグローブ


靴下は時折手袋になりたい
多くの日を暗い引き出しで過ごし
使われれば擦り減っていき
汚れれば疎まれ
捨てられる運命を感じ取るのだ
靴下は諦めてはいない
何かの運命が気まぐれに
彼を手袋にするかもしれないのだ

ぐるぐると洗濯機の中を回って
願って願って
蓋が開いたとき
奇跡は起こった
彼は手袋になったのだ
太陽に照らされながら
靴下だったものは感涙をこぼし続けた

その年、冬が来なかった

綺麗に洗われて
真っ暗な引き出しの中で
そんなことは知らずに彼は待ち続けた
時はゆっくりと流れていき
春が来て夏が過ぎ
靴下だったものは少し不安になった
静かだった
ようやく冬が訪れたが
人がいなくなっていた
終わらない冬だった

もはや手袋を必要とする存在はない
それでも彼は待ち続けている
深々と積もる雪の中
自転車のハンドルを握る日を
靴下が全て朽ち果てた世界でも
待ち続けている

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posted by rakuha at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ★単行本の3頁目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月09日

★羽田


つながるものとつながらないものとの間に
東京と千葉の境界を見る

沈まない理由を
落ちない機体で考える

夕日が鈍く輝く日に
休みが黄金を名乗ってしまう

記憶に残っているものは全て
東京ではフリマの出し物になるという

つながらないものの中で
落ちていく気体の中で
消えていく夕日の中で
無限に近い休みをむかえた

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posted by rakuha at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ★単行本の3頁目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月01日


弟が増えて
どこまでも増えて
いつまでもずっと増殖して
僕は押し出されて
町の隅で凍えて
気紛れで叫んだら
全て終わった

吐き出した体を
おもいきりくすぐって
笑わないんだ
僕が笑った
なんだいだらしがない
なんだい意味もない
家に帰ってしまえ

弟達の区別がつかない
まだまだ増殖を続ける
このままだと
お小遣いもなくなって
ああああ退屈だ
誰か死なないかしら

雨が続いてきて
屋根が傷んできて
なんだか愉快になって
お経を唱えてみたよ
子守唄みたいなもんだ
いやでももう一度
本当は叫んでみたい
吐き出した体を
取り戻したくなった

弟たちはおおかたくたばった
世界はスキだらけみたいだ
さっぱりしちゃったのかなあ
あそこになんか落ちてるな
なんだい僕の体か
心のひだがくすぐったいな
見なかったことにしよう
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posted by rakuha at 13:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ★単行本の3頁目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月26日

星の草原


味方が誰もいない一年の終わりに
風が襟首を捕まえたので
遠い遠い浜の向こうの
誰もいない山に登った
太陽が役目を早めに終えて
世界は色を失っていく
見上げた空には一億の星
遠く遠くで焼け焦げている

ちっぽけな自分がいないと
存在できない星の草原

獣たちが集まってきて
呪いの儀式を始めている
一年の穢れに対して
受け入れないふりをしている
強がりで前に進めるのならば
それもまた必要なのだろう
世界よ私に味方がいないことで
私は星々を支配できる

ちっぽけでないと思った瞬間
空に雲が溢れかえった

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posted by rakuha at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ★単行本の3頁目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月19日

★生きたい期待


期待される通りに生きて
期待を抱え込んで
期待の重さが膨らんで
期待を嫌いになった

期待を裏切る宣言をして
期待を捨てようとしたとき
期待は僕を見て
「生きたい」と言ったんだ

君は借り物だよ
勝手な人々が
創りだした幻
だけど輝いている

期待の見たい未来
期待で届く未来
僕は手を引かれている
「生きたいから」「行きたいから」

猫

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posted by rakuha at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ★単行本の3頁目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする