2007年10月14日

★ドラゴン・ラナ

空は四角い大地を
常に見下げていたけれど
白い仮面の影は
いつの間にか反転した

百年に一度の
飛翔かもしれない
風さえ越えて
投げ出されていく

龍は静かにそして
力強く舞い降りた
全ては完璧に
終わっていったのだ

猫

★救命士の友人の話

救命士の友人の話。
おぼれてしまったと言われたけれど、
行ってみたら音楽が鳴り響く中、
その人は泣いていたんだって。
事情を聞くと、
もうこんな歌じゃだめなのに、
どうにも抜け出せなくて、
困っているんだって。
少女の頃は共感できて、
この歌を聴けば元気が出たのに、
今じゃただ陳腐にしか聞こえない、
それでも過去の自分を否定するのは恐い、
だってみんなにファンだって公言して、
CD買って、
DVD買って、
なぜか出した絵本も買って、
尊敬してます、
目標にしてますって言って、
そこまでしたのにいまさら、
いまさら冷めてしまったなんて、
愚かな自分が許せなくて、
三日前からこの音を止められない、
どうしても止められない、
そう言ったんだって。
助けて欲しいんですかと聞くと、
助けて欲しいんですというので、
彼はコンポを壊し、
CDを壊し、
DVDを壊し、
そして絵本を破って、
その女の頬をひっぱたいて、
帰ってしまったらしい。

猫

★地球

どこかの星には
戦闘民族がいて
地球ぐらいなら
破壊できるらしいよ

つかの間の命だと思って
地球に根を下ろそう
けれども完全に今
僕は狂気の中

丸いこの星を
歩いて回った人は
今のところいないから
平面みたいな感じ

今破壊した壁は
何を隔てていたのか
これは予兆
僕が戦闘を始めることの

猫

2007年10月11日

★計画

くれぐれも気をつけてください
私は残酷に裏切れます
けれどもさびしいんだな
慰めてくれさえしたら
ちょっとだけ優しくしてあげます

限りない愛だから
小出しにしなきゃ損です
ああ だからって
あなたにあげるとは限らない
求めるなら頑張って見せて

さびしい人だと思ったなら
それさえ策略の想定内
悲しいなって思ったんでしょう
私に関わっている時点で
あなたも私の計画のうちなんですよ

猫

2007年10月08日

★瞬憂

蛍光灯全部投げた
しょうもない音で割れた
遠くで誰かが泣いた
知らないよそんなこと

灯りの点かない部屋で
トランペット吹いた
遠くで誰かが怒った
じゃあかかってこいよ

闇の中で自分を見た
ちっぽけ過ぎるよ
だけどそれが全てだ
眠るしかないらしい

猫

★残像

全て流してしまえと飛び出たのに
雨粒自体がまとわりついてきた
もう私は全てを拒んでしまったのだと
気付かせてくれるのは誰
いつまでもやまなければいいんだ
季節も変わらなければいいんだ
残像は微笑みかけているけれど
その視線は私をすり抜けて
遠くの美しいものを
ただ眺めていただけだから
ただそれだけだから

一時間もしないうちに
雨はやんでしまった
また 拒まれてしまったよ

猫

2007年10月06日

★君の魔法

教室の隅でこそこそ
弱虫の振りしてるけど
知っているんだよ君の力
誰だって呪い殺せるぐらいの

十年前一緒に追いかけた
蝶の姿覚えているかい
いつから僕らは違う種族に
分けられてしまったんだろう

きっと最後には残酷に
醜い姿で再会するから
今はそっとしておくけれど
胸は痛むばかりなんだ

教室から飛び出たとき
虹がかかっていたよ
あれは君のものなんだろう
僕だけは知っているんだよ

猫

2007年10月02日

★永遠の彼方

今日の残り火
山と思えば
雲を照らして
少し 笑う

もっと 小さな
きっと 大きな
永遠の彼方
一度は見せてよ

夜闇を被る
孤独の集団
星は一体
誰を 求める

もっと いびつな
きっと きれいな
永遠の彼方
実は知ってる

さようならが
一回転して
ほら ここにある
幸せの形

振り返ったら
光が曲がって
永遠の彼方
少し追い越した

猫

2007年10月01日

★非常識


いわれのない中傷を受けて
僕は世界を呪い始めた
けれどきっとまだどこかで
美しいものを信じていたんだ

本当は抱きしめて欲しかった
君が現れてうれしかった
それなのに僕は罵り始めた
僕の愛は非常識だった

君は美しい
突然の告白は
雨の音にかき消されて
また僕は世界を呪った

本当は普通に憧れていた
取り返しがつかなくなって
初めてちゃんとわかったよ
非常識はかっこよくなんかない

猫

★裸の王様


すでに世界は陰鬱な真実に満たされ
憧れさえ数式の元に取捨される
生まれついた身分の下で
できる限りの抵抗をしたけれど

ただ 哂われている
もう 知っているのに
私は このまま裸で
朽ち果ててもかまわないのだ

すでに世界は真実に頼りきり
夢見ることも根拠に基づく
この姿を裸だと言うなら
何故装うことすら誇れると言うのだ

猫

2007年09月28日

★一度きり

少女の心、欲しい?
私は幾つでも
貴方に分けて上げる
軽くなってしまう
純粋なもの
もう一度目指してみたいから

白い肌、欲しい?
私は幾らでも
変わってしまえる
魂を売ってしまったの
何億年も昔
触れること許されたいから

ねえ"一度きり"
そんな言葉 好きでしょ?
私もね それだけで
叶いそうな気がするから
たった一度の願い
そんなものに託してみる

あの儚い衛星よりも
淋しい風を手に入れたいの
例え姿を消していても
誰も探すことのないような
そんな私になるために
貴方に聞いてみたんだよ

猫

2007年09月25日

★西の空


調べられるなら
君の涙の理由を

歩けないほどに
打ちひしがれて

雨を貯めた雲が
西の空に見える

今すぐ身の思い
洗い流しに来て

猫

2007年09月23日

★空振り

世界はまた空振りを始めた
意味もなく眺める私は
吸うべき煙草がないのに気付いた

花の名前を知らないのに
毎年挨拶を交わしているから
私たちは友達になったけれど
気紛れな世界それ自身のせいで
安心する暇がない

生まれてきたからには
幸福を目指すんでしょうなんて
勝手すぎる法則でしょう
私がまず願うことは
「明日もこの言葉が通じますように」

月蝕の日はたまたま空振りせずに
何かが当たってしまったのかしら
自販機の前で星空を見た

猫

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2007年09月18日

★静かなる夕べ

虚ろな瞳
君に鎖は
いらないだろう
じっとしている

小さな体
君の命は
あと何日なの
何も言わない

この世で一番
賢い犬が
今ここにいる
そんな幸せ

この世で一番
醜いものに
連れられて歩く
静かなる夕べ

猫

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2007年09月15日

★真綿の月

時は病んで理を穿つ
傷は己すら哂う程に

遠い空 雲は 黒く覆うのに
何故月は 今日も 白く輝く
二度と幸福は舞い降りないらしい

華を折りて焔を待つ
最早己すら失くす程に

凍えさす 意味と 逸れたままで
何故月は 今ですら 白く輝く
真綿のようだと呟く
真綿が何か知らぬまま
真綿の月と名付ける
暗く深い世界の中で

猫

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2007年09月12日

★華は元より


華は元より
咲きたくなかった

土と育む
大地へと進む
まるで世界
変えたがる様に
大きく呼吸
整えた後
徐々に沈む
空気はかすむ

種を植えたら
それだけのこと
華は元より
咲きたくなかった

戦好きの
街を歩く
それはもう
昔のこと

安心してても
明日は見えない
華は元より
咲きたくなかった

猫

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2007年09月06日

★再会


色んなこと考えていた
昔の夢の古めかしさ
今の現実のつまらなさ

分かるだろ
君になら
小さな歩み
まだ続けてる

同じ物が違う物として交わる
そんな風に今二人出会っている

帰る場所ないだろ
輝いているから分かってしまう
進む先には光があるかい
闇の中にも希望はあるさ

そろそろ時間だろ
君となら
別れの歌
悲しくないから

猫

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2007年09月05日

★とりあえず


こまったなあ 喉元まで
「ありがとう」が出てきてるのに
言う相手がいないんだよ

仕方ないから そこら辺の
ジョギングしてるおじいさんに
「ありがとう こんにちは」

そしたらなんかはなし弾んで
ありがとう ありがとう
とりあえず言ってみるもんだな

猫

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2007年09月02日

★Time

赤く小さな光追いかけても
届かないこの手短すぎて
もう一度言わせて欲しいのに
何故?何故?何故?何故?

進む
進む
進む?
進む?

帰ることぐらい簡単だけど
何かがそれを許さないと思い
辿った道は間違っていたらしい
何故?何故?何故?何故?

殺す
殺す
殺す?
殺す?

祈る
祈る
祈る?
祈る?

猫

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2007年08月30日

★タバコと涙

巻きスカートは禁止です
おかしな校則と
遠回りして帰る僕ら

君は隠れてタバコを吸い
僕は隠れて涙を流す
長く伸びた髪揺らして

自由に蝕まれて
激しく首を振って
ロックでごまかそうって
必死でギター投げて
そんなことじゃ駄目なんだって
誰も言ってくれなかった

巻きスカートをはいたら
変に安心してしまう
埋もれてしまった僕ら

文化祭のステージを
遠い目で見つめて
いかれた頭揺らして

縦横無尽に走って
激しく嘔吐して
全部なくそうったって
別室に呼び出されて
そんなことじゃ駄目なんだって
言われたら返事しちゃったんだ

猫

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