2013年05月28日

★逃げる


ガラスのコップが割れない方法見つけて
悪の集団に狙われ始めてしまった
眠る場所も自分で探して
魚釣りの技術が異常に上がっていく

パントマイムが一切許されない世界で
傷付き方の練習教えてくれるのは誰
エンドロールが全て同じパターンの夜に
一味違う夜食が欲しくなってきたよ

わりと楽しい夢を見たんだ
わりと悲しい涙で驚く
わりと世界は安定してむごい
わりと自分が好きで困る

ガラスのコップを全て溶かしてしまう
悪の集団が善の集団にレベルダウンした
もう一度だけ出会えるのなら
生まれた日の自分を抱きしめたい

猫
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2013年05月04日

★青い自転車


空に溶け込まないように
白い階段の下に
忘れられたふりして
君を誘う自転車

あのカフェの中から
実はずっと見ている
そんな少女のことに
いつ気付くんだろう

その眼の奥まで
染みわたっていく青
歩みを止めそうになる
ガッツポーズしてるよ?

補助輪はずれたばかりの
想いは寄り道ばかりで
透明なガラス破って
走りだせればいいのにね

空に溶け込んだイメージは
歴史に刻まれていく
一生君は忘れないだろう
少女が大人になっても

猫
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2013年03月18日

★球根


宇宙船に忘れられた
ヒヤシンスの球根が
遠い銀河でつくった惑星で
ボクらは再び生き始めた

滅びる覚悟を
持たないまま
何度も繰り返す
刹那の観覧車

焦がされていくままに
燃え上がる情熱が
天を突き破るのに
やっぱりたったの数百万年

宇宙船は進みだす
限りある宇宙の中を
遺伝子に刻まれた悪癖が
ボクらをいつまでも揺らし続けてる

猫
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2013年02月04日

★鯨の見えない海で歌う


三千年前の石碑をもとに
海原だった草原を掘っている
鯨の骨が見つかるまで
決して街には戻らない

誰も信じてくれなかった
きっとそれは想像上の悪魔で
いわゆるスケープゴートで
きっと人々の弱さなんだと

大の字になって空を見ると
波の音が聞こえてきた
潮の香りが遺伝子を揺らす
積み重なった霊魂を越えて

ある日穴が崩れて
光が消えてしまった
永遠がこちらに微笑んでいる
鯨の声がはっきりと聞こえたのだ

猫
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2012年12月26日

★液体


離れていく気体
掴み取れなかったのは
個体に落魄れていたから
君よ 永遠へ逃げるな
こちらに留まって
見届けてみせる
それもまた弱さ
再びねじれの先で出会えるならば
液体で混ざり合おう

猫続きを読む
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2012年11月29日

★再生


虚空を吸い込んだ雨雲が
鬱屈をすべて吐き出す夕刻
水に沈んでいく田んぼの中で
破片が寄り添いうごめいて
一つの生物が生まれていた
大きな翼をゆっくりと揺らして
その生物は水中を進んだ
目の前は濁った舞台で
好みだけで方向を決めて
まさに自由
彼女は生命を実現させていた

水流は用水路を越え
大きな河川へと向かっていた
生きているものも生きていないものも
暴れながら転がっていく
けれども彼女はまっすぐ進んだ
摂理への従い方を知らなかったから
喜びや悲しみも流される中で
彼女には希望しかなかった

川は町をも飲みこんで海へと走る
少し苦しさを感じた彼女は
息を大きく吸い始めた
塩分が首筋を錆びさせていく
久しぶりだね、と誰かが声をかけてきた
何十年ぶりかにあなたを見ましたよ
彼女は少し首を振った
いいえ、私は今日生まれたの
気泡が視界を埋める
そのまま彼女は波にさらわれ
遠く遠くへ連れ去られていった
意識が薄くなっていく中
海が優しく微笑んでいた
ああ 私は いつか生まれていて
きっと いつか また 生まれるのだ
彼女は信じた
そして名もなき生物は溶けた
翼の記憶を少しだけ残して
再生までの眠りについたのだ

猫続きを読む
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2012年11月07日

★断髪式


君を見なくなって一か月が過ぎます
今夜音楽室でモーツァルトが断髪式します
僕と君は招待されました
以前発表会でした演奏が好評だった
僕はピアノで君はリコーダー
二人で選んだ曲は今も大好きです

もしも可能ならば襟付きの服で
果物を少しだけお願い
君の家で育ててるものは
なんでもおいしいからね
もしも夜が怖いなら迎えに行きますが
もしも人が怖いならじっと待っています

モーツァルトも疲れたらしくて
普通のおじさんを経験したいって
僕らも今からひょっとしたら
普通の子どもになれるかもしれない でもね
いつかまたもっとすごい演奏とかできる日が
来るかもしれないとかも期待しちゃってます
君が失望したなにかの仕組みのこと
僕はまったくわかってあげられないんだ ごめん
君が望まないものがあの世へ溶け込んだら
笑顔を見せてほしいです

君を見なくなって一か月が過ぎます
今夜音楽室で一つの時代が終わって
僕と君が新しい世界を見られたら
しばらく髪を伸ばしてみませんか
僕はピアノで君はリコーダー
新しい曲を選んでみよう

猫続きを読む
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2012年10月20日

★一滴の涙


消えかけていた印に 毛布を掛けた
誘いは終わりにして そっと終わりを待とう

太陽の半分を手に入れた日
歴史の半分は忘れられて
哲学は全て墓石へ帰った
ゾンビが魂にしがみつく世界

それでも一滴の涙へと
希望を見出すのならば
そんな一滴の涙で
溺れるぐらい生き延びよう

消えかけていた印は 原子を拒んだ
理解できないものから 理解を失った夜

太陽の半分は半分の寿命
歴史の半分は半分の未来
哲学の遺体には神がたかってる
ゾンビの伸ばす腕が星を握りつぶした

一滴の涙は乾き切ったから
未練は全て雲間に解けた
一滴の涙は二度と落ちない
近すぎる光で焼かれて 焼かれて

一滴の涙を流した人は
星の輝きで道を探してた
一滴の涙を知らない世代が
太陽の半分で焼かれて 焼かれて
焼かれて 焼かれて 消える
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2012年07月23日

★グノーシス


重力の届かない場所で
正しいことだらけの光が
厳しく降り注いでいる
闇が見えた時に
運命は決まっていた

知識と引き換えに
逃げ出そうあの土地は
自由を 自由を与えてくれる
季節が廻れば
誰もが忘れるはずさ
仮面を壊して仮面を作った

堕ちるように昇っていく
星々に距離が生じて
世界は立ち上がった
痛みも悲しみも
突然訪れてくれる

知識は失われ
再び手に入れる
自由に 自由に求めればいい
命が廻れば
誰かが気が付ける
理性を壊して理性を創った

自由が 自由が浸透する

猫
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2012年07月17日

★あたためますか


コンビニで働くあなたの気を引くために
私は弁当開発者になった
あなたはいつか想うはず
一番売れている弁当を
作っているのはどんな人?

味も栄養も値段も
自在に扱える魔術師に
なってみせると誓ったから
毎日徹夜で研究したの
コンビニに行く暇はなくなった

10年の歳月が過ぎて
私の弁当は飛ぶように売れた
ほらあとはあなただけ
心はそう言うのだけれど
わからない
「あなた」って誰?

何か思い出せる気がして
レジに立ってみた
あたためますか あたためますか
繰り返す言葉の奥に
熱い何かがあると思った
わからない わからない
小さな男の子を連れた
家族がやってきた
あたためられる あたためられる
弁当なんて買わないよね
昔、ここで働いていたんだぜ
そんなことを言っている
あんな人のために弁当を作りたかったに違いない
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2012年06月03日

★清純ウルフ


君がせっせと土を運ぶのを黙っていつも見送っている
暗い夜にだって君は一心不乱だから
僕は牙を見せながら闇に警告を続けている

君が可憐だから頑張るんじゃないけど
君が可憐なのは一時も忘れない

君は森の中で煉瓦の家を作っている
他のみんなは吹き飛ばせそうな家でくつろいでいるのに
君は煉瓦を積み上げている君の汗が光るたびに
僕は君にエールを送る

君が愛しむものは全て正しい
君が恐れるものは全て恨もう
心を八つ裂きにしてでも絶対に守ってみせるから
もし僕が尋ねたら微笑みをくれるだけでいい

君がいなくなった暗黒の中で咆哮する
眠りにつくと常に悪夢だった
君を脅かす影が見える
きっと汚い裏切られ方をしたんだろう
とてもとても悲しい姿をしている
僕は守りたいのにどこにもいない
ああこの夢が夢のままならば
この夢が夢のままであるように

猫続きを読む
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2012年05月08日

★元羊グレン氏の人生


大統領候補グレン氏が
元羊であることが分かった
グレン氏はそれでも立候補したが
支持率は下がる一方だった
親友にメールをしても返信がなく
電話もつながらず
仕事場からは追い出された
家には草が送りつけられ
大統領選が終わり
グレン氏は国から消えた

しかし人々は知ることになる
あの人もあの人もあの人さえも
元は羊だったのである
元羊たちによって国は動かされていた
グレン氏はそのことを知らなかった
元羊の人々はひっそりと
グレン氏の行く末を見守っていた

グレン氏は小さな島で
魚を釣って暮らした
太陽が沈むのを見つめていた
大きな嵐が来た後に風邪で寝込み
小さな小さな夢を見た
彼が憧れたのは人間ではなく
何かを支配できる立場だった
自らの体さえ動かせないその時
羊であった日の朝を思い出していた
それでも人間でありたいと思った
爽やかな朝に銃声が笑った

猫

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2012年04月13日

★四国飛行


旅立った四国が帰らないような
少し切ない夜は
冥王星に手を伸ばして
ひんやりとして眠ろう

風が運ぶよ 銀河の裏側へ
未発見のエビが最初の到達者
光が消えるよ 神様の寝室で
勘違いした蛇がパーカッション

旅立った四国のお土産はエビアン
少しリッチな夜に
太陽を焼酎で割る
ほろ酔いで錯乱しようか

猫続きを読む
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2012年03月29日

★かえるベルト


顧客拡大対象はかえる
かえるにベルトいいだろう
少しスリムに見えたら
殿様気分になれる

君を変える
かえるベルト
開発途中で
みんなが帰る

完成しなかった
夢は諦めないけれど
買えるものだけが
すてきじゃないから

ありのままでも
充分かわいいね
でも待っていてね
いつか叶えるよかえる

猫

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2012年03月25日

★クーパーパーク


夜、真理キリン知るよ
キスする気切るススキ
凝る肩でたかる子

悪い手仕込み見越しているわ
朽木額が鬼畜
「いいお金ね」顔言い

さあイルカ、移転さ
クーパーパーク
算定軽い朝

クズ、うまくないな熊うずく
洋仔猫はコネ乞うよ
怒り切ない夏競り会


猫
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2012年03月14日

★3世紀後のレコード


聴いたことのないリズム
味わったことない快楽
君がくれたレコードは
刺激が強すぎたから
タイムカプセルに入れたよ

それでも頭にこびりついて
いつまでもリピートされる
逃げられやしないんだ
共存するしかない
前頭葉で針が踊る

きっと君は未来から
追放されたロックスター
黙っといてあげるから
もっと聴かせてよ
狂った音を

音楽に溺れるうちに
君の記憶が薄れていく
どうして出会ったんだっけ
そして気が付いたときに
自分で新曲作ってた
届け 三世紀後ぐらいまで

猫続きを読む
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2012年02月14日

★手紙


馬を追いかけたら銀河を飛び出た
座礁した宇宙船から手紙を受け取った
【三代前の神が造った
できそこないの宇宙の君へ
僕は君のメッセージを
ついに解読したよ】
届けてくれと言われても
行き方がわかるはずもない
そこを馬が通りかかる
僕はさっとまたがって
「前の前の宇宙へ!」
と叫んだ
馬は嘶き走り
ブラックホールに飛び込んだ
黄色い光と青い瞬き
気が付くと僕らは半透明で
崩れ落ちそうな大地にいた
ひょろりと長い何かが近寄ってきて
「その手紙を見せて」
と言った
天から星の欠片が降ってきて
半透明の馬にぶつかった
「ああ、やはり時は超越するんだわ
でもその証明にはならないわ
だって誰にでも書ける手紙ですもの」
悔しそうにそれは足踏みをして
どこかに飛んで行ってしまった
少し息苦しくなったので
帰りたい、と思った
降り注ぐ星のかけらを捕まえて
足の下に敷いてみた
ぶわっと体が宙に浮いて
ブラックホールまで投げられた
しまった、馬を置いてきた
気が付くと火星だった
ひどくつまらない光景だ
行き交う火星人を眺めながら
二代後の宇宙へと手紙を書き始めた

猫

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2012年02月07日

★君のカニコロッケ


食卓を走るカニコロッケ
なんでこうなってしまったの?
君は微笑むばかりで
答えてくれないから
僕は必死に箸で追う

カニコロッケっていうのは
蟹型コロッケじゃないよ
しかも蟹歩きしないはずだよ
でも仕方ない
僕はカニコロッケを食べたい

走るカニコロッケ
激走して廊下まで
追いかける僕
見失ってしまった
どこを探してもいない

野生になったのか
犬に食べられたか
君は思い直して
タコウィンナー作ってる
ほうら墨を吐くぞ

猫

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2012年02月02日

★ベターポップ


音楽が死んだ日に
言葉なんて役立たずだった
誰も見当たらない
仕方がないから
自分で開発する
ベターなポップを

音とは何だったか
思い出せない日々
大事だった記憶だけ
ろっ骨を締め上げてる

犠牲が必要だろう
詩を焼き捨てた
灰の中から
弾けて生まれるポップ
それを捕まえて
そろばんで撫でる
ほうら形になった

ポップに生かされて
ポップに殺される
輪廻を繰り返し
何も変わらない
音楽はいいね
五線譜に葬列が並ぶ


猫

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2012年01月20日

旅人パーキング


日々訪れる車たちの話
あの街この街山に海
時には冒険様々な事柄
駐車場は優しく笑って
聞いていたのだけれど
本当はうらやましかった
どこかに行きたい
どこへでも行きたい
時折想いは星に届く
駐車場は歩き出した

噂に聞いた通り
知らない通り
様々に抜けていき
景色は変遷する
昼から夜へ
人も車も減り
駐車場は立ち止まった
今日はここで眠ろう
寝息を立てる彼のところに
一台の車が訪れて
ゆっくりと腰を下ろす

目を覚ますと異なる風景
駐車場には数台の車
皆出かけるまで待とう
一台出ては一台訪れ
結局夜になってもそれは続き
駐車場は佇んでいた
それでも車たちの話が
彼を優しくさせた
駐車場はしばらく
そこに留まった

あるとき工事が始まって
車も駐車場も追い出された
風がひどく冷たかった
駐車場は再び歩き出した
今度は立ち止まらずに
昼も夜も
どこまでも歩いた
時が経ち車がなくなっても
宇宙が終わっても
彼は歩き続けた

猫続きを読む
posted by rakuha at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ★世界最後の衛星 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする