2015年01月01日

「無責任」三十五号

清水らくは・浮島(無責任.zone)によるweb詩歌誌第三十五号です。

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2014年12月22日

★あああ ああああ あああ いい


あ は一人で暮らしている
あ の日記にはこう書かれている
あああ ああ ああ ああ
あ しかいないので会話はない
ただ あ は星を見てつぶやく
ああ あーあ

昔は あ はみんなと暮らしていた
けれども あ は冷たくされていた
あ はひらがなの最初だし
口にしやすいし
何となく特別感があって
嫉妬の対象だった
誰よりもきつかったのは
い だった
彼は あ の次ということもあったけれど
なによりいろはの先頭だったのだ
彼は時代を恨み
あ を恨んだ
あ は不当に評価されすぎている
い はあを攻めた
実際にはこんな会話だった
いい いい いい? いいいいい
あ ああ ああ……
いいいい!
あ ああ ああ
いい いい いいー!
あ は頭を振ってうなだれた

あ はみんなのもとを去っていった
あ がいなくなったので
言葉には多くの隙間ができてしまった
みんなで埋め合わせようとしたが
い がみんなの前に立って言った
いいいい いいい いい いいいい
いろいろな意見が出たのだが
つまり
ろろろ ろろ ろろろろろろ
とか
ここここ こっこっこー
とか
むむむむむむむむむむっむー
とかとにかく
議論はあったものの結局
あ は い にすべてを託したのだという
い の嘘が認められてしまったのだった

すべての あ は い に置き換えられた
あした は いした に
アナウンス は イナウンス に
アカサカサカス は イカサカサカス に
あいあいがさ は いいいいがさ に
いきらかに変だったけれど
い の勢いがいまりにもすごかったので
いさから夜までせかいは い だらけ
もちろんい といいいれない者もいたけれど
追い出してしまったようないといじの悪さに
これ以上のいらそいは避けたかったのだ

皆はいつの間にか
あ のない世界に慣れていった
そしてどこに あ があったのかわからなくなった
皆が あ のことをとっくに忘れた頃
子どもが枯れ井戸の底から古い書物の切れ端を見つけた
そこには見たことのない あ の文字
「あめがあまい」
みなで悩んでいたところ え が叫んだ
う が あ にとってかわったに違いない
う は世の中に多すぎると思っていた
つまりこの文章は今
「うめはうまい」になっているが
元々は「あめがあまい」だったのだ

みな何となくそんな気がしてきたので
あ は面白い 私が あ になるというものもいて
う を あ に戻す作業に取り掛かった
うた は あた に
ういういしい は あいあいしい に
ウルトラソウル は アルトラソアル に
イナウンス は イナアンス に
どれが元々の う かわからないので
とりあえず置き換えていった結果
どんどん う は減ってしまって
う はなんだか居づらくなってしまった

ついには う も旅立ってしまって
世界から う はなくなってしまった
このようにあよきょくせつがいって
あ は いに
う は あになったのだが
長い年月を経て
人々の記憶はどんどんあすらいで
もはや誰もほんとあのことを覚えていない

あしなわれた音を
いなたはきっと
まだ知らないのです

猫
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2014年12月01日

「無責任」三十四号

清水らくは・浮島(無責任.zone)によるweb詩歌誌第三十四号です。
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2014年11月25日

★ラストグローブ


靴下は時折手袋になりたい
多くの日を暗い引き出しで過ごし
使われれば擦り減っていき
汚れれば疎まれ
捨てられる運命を感じ取るのだ
靴下は諦めてはいない
何かの運命が気まぐれに
彼を手袋にするかもしれないのだ

ぐるぐると洗濯機の中を回って
願って願って
蓋が開いたとき
奇跡は起こった
彼は手袋になったのだ
太陽に照らされながら
靴下だったものは感涙をこぼし続けた

その年、冬が来なかった

綺麗に洗われて
真っ暗な引き出しの中で
そんなことは知らずに彼は待ち続けた
時はゆっくりと流れていき
春が来て夏が過ぎ
靴下だったものは少し不安になった
静かだった
ようやく冬が訪れたが
人がいなくなっていた
終わらない冬だった

もはや手袋を必要とする存在はない
それでも彼は待ち続けている
深々と積もる雪の中
自転車のハンドルを握る日を
靴下が全て朽ち果てた世界でも
待ち続けている

猫続きを読む
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2014年11月01日

無責任 三十三号

清水らくは・浮島(無責任.zone)によるweb詩歌誌第三十三号です。

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2014年10月01日

「無責任」三十二号

清水らくは・浮島(無責任.zone)によるweb詩歌誌第三十二号です。

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2014年09月01日

「無責任」三十一号

清水らくは・浮島(無責任.zone)によるweb詩歌誌第三十一号です。

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2014年08月01日

「無責任」三十号

清水らくは・浮島(無責任.zone)によるweb詩歌誌第三十号です。

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2014年07月20日

★A    とB    と僕の三角関係


小さい頃僕はA    が欲しくなって
どうしても手に入れたかったけれど
A    を買うことができなかった
大人になったらA    が買えるのに
それだけを思って生きてきた

大人になった僕にはA    を買うお金があって
いよいよA    がある街まで
A    の姿を想像しながら向かおうとしたところ
突然立ちはだかる影があった

「私は昔からあなたに買われたかった
貴方のことを思い続けて
いよいよあなたに会うことができたのだ」

それはB    だった
B    はいつまでも私に対して語り続け
その熱意は私の体へと伝わってきた
けれども私はA    を買いたいのだ
B    を買えばA    は買えない
私はB    を振り払って進んだ

そしてついにA    のもとにたどり着くと
A    は冷たいまなざしでこう言った

「私はあなたのことを何とも思っていない
貴方は確かに私を買えるけれど
私の心までも買える訳ではない」

僕は混乱して穴を掘って
地球の裏側に逃げ出した
そこから声を張り上げて
その勢いで宇宙を舞った
そして火星の山に落ちてくると
B    が僕に手を差し伸べてくるのだった

「私は心を捧げるつもりです。
貴方の心は百年かけてでも溶かしてみせます
さあ、私を買ってください」

僕は土星のわっかをつかんで飲み込んだ
星屑が結論を出してくれればいいのに
魅力的なA    
破壊的なA    
奇跡的なA    
現実的なB    
意識的なB    
妥協的なB    
A    とB    の間
A    とB    の違い
A    とB    と僕の連鎖

心も体もぐるぐると回って
自分がどんな結論を出したかも知らなくて
気が付くと幸せな家庭の中で
家族でバーベキューしていたりして
息子が目を輝かせながら
「A    がどうしても欲しいんだ!」
と叫んだので
長い夢を見ているのだと気付いてしまって
目が覚めたときには誰もいなくて
もはやA    もB    もどうでもよくなっていた

嘘だ
嘘だけれどどうしようもないのだ
太陽の炎で迷いを消毒して
死ぬまでにはちゃんと選択することを誓ったのである
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posted by rakuha at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ★レディ・プロティノス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月01日

「無責任」二十九号

清水らくは・浮島(無責任.zone)によるweb詩歌誌第二十九号です。今回はゲストに元親ミッドさんをお迎えしてお送りします。

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posted by rakuha at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 無責任 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする